東京アピール1991

21世紀を迎えようとする今。地球規模の環境汚染が目立つようになりました。環境も破壊の一途をたどっています。こうした中で私たち登山家及び登山愛好者はヒマラヤを始めとする世界の山とその周辺の環境保全に向けて、今後一層の努力を重ねていく義務があります。
私たちシンポジュウムの参加者は、以下の3点について合意しました。

(1)高所登山の分野では、今後登山行為で生じたあらゆる廃棄物を持ち帰る努力を重ねていく。時に水銀電池などの有害廃棄物は厳重に管理する。すべての登山計画はその中の廃棄物に関する内容を明記するものとする。
(2)トレッキング部門では村落やキャンプ地周辺を清潔に保つことはもちろん、トレッキングパーティや個人のトレッカーによるまきの使用をやめる。森林を維持するため、植林や太陽エネルギー、水力発電の利用を推進する。ヒマラヤを訪れるトレッカーは村人にこうした技術協力を行うとともに、村人から多くのことを学ぶべきである。一方通行ではない、相互の共通理解が必要である。永続的な信頼関係と相互理解をヒマラヤの人々や政府とトレッカーの間につくり上げることが必要である。
(3)山岳地帯の観光については行政機関、教育機関などと連携しながら、観光客や子供にも理解できるようなq環境美化教育を展開する。
さらに近い将来、具体的な行動として、HET(ヒマラヤ環境トラスト)を中心に最高峰チョモランマ(別名エヴェレスト、サガルマータ)への清掃登山隊を派遣するよう努力することに合意いたしました。
私たちはヒマラヤに関するすべての政府、山岳団体、トレッキング会社、環境保護機関がこの規定を採用し、これに従ってくださることを期待します。

1991年11月9日
山岳環境保護国際シンポジュウム